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第12話 自分の名前

Auteur: 酔夫人
last update Date de publication: 2026-07-04 11:00:59

翌日。

小春は橘に案内され、ある部屋へと向かっていた。

「こちらです」

中に入るとそこは応接室というより、小さな執務室だった。

机の上にはいくつもの書類が並んでいる。

机の傍にいた柳沢が一礼する。

「あの……」

「自己紹介が遅くなりました。私は社長秘書の柳沢と申します」

「……朝比奈、小春です」

「朝比奈様。お身体はいかがでしょうか」

「大丈……」

大丈夫と言いかけて、小春は言葉を止める。

「だいぶ楽になりました。ありがとうございます」

小春は橘を見た。

橘は首を縦に振る。

小春が橘を信頼する様子を見て、柳沢は安心したように頷いた。

「本日は朝比奈様の生活を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます」

「生活……ですか?」

小春は首を傾げる。

「具体的に言いますと」

柳沢は机の上の書類を一枚ずつ示した。<

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